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読書について

「小説」 告白 感想 ネタバレ

 

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こんにちわ!

 

今回は湊かなえさんの「告白」という作品の登場人物に対して

感じたことを書きました。

 

目次

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 ・登場人物に対する感想

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・森口

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 娘の愛実を教え子の二人によって殺されたことにより復習を開始する教師。最初はエイズ感染者の血液を混ぜることと教室で犯人について告白することで復讐を行おうとする。

 

 第一章聖職者でクラスメイトに事件のことについて話す森口。冷静で無感情で話しているような雰囲気があるが、直樹のことを「本当に深く陰湿な思いを抱いている生徒」、修也のことも「自分の技術と才能が高く評価されたと勘違いした」など毒を吐いているシーンがあり、当たり前だけど2人のことが憎いんだなと感じた。

  

 森口が爆弾を修也の母親がいる研究所に仕掛けるのが物理的に難しいなのではないかという意見を聞いたことがあるが、第六章の伝道者の冒頭で修也が「唯一無二の愛する人が去った日の夜」と遺書に書いていることから母親は死んだのではないかと思う。

 

 

 

・直樹

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 森口の娘である愛実を直接殺害した実行犯。子供の頃から母親にひたすら褒められて育ったため自分を優秀だと感じていたが、小学校3年生あたりから自分が優秀ではないと感じ始めた。現在の自分にまったく納得が出来ておらず、理想と現実とのギャップに苦しみノートに死ねという言葉を書くことでストレス発散をしている。

 

 性格はとにかく卑屈で皆自分をバカにしていると思っている。他の学生とすれ違う時に用もないのにケータイをいじりだしたり、オタクなクラスメイトしか話し相手がおらず彼らと話すことを恥ずかしいと感じている。

 

 また、母親がモンスターペアレントであり、その原因が自分が優秀じゃないことだと思っており、実際に母親の期待に答えられてないという気持ちを持っているために余計みじめな気持ちなっている。

 

 母親も自分の息子を愛してるいるが、優秀じゃない息子に理想と現実とのギャップを無意識に感じているように感じる。その結果が学校へのクレームに繋がっているように思う。

 

 直樹の告白を読んでいると事件が始める前から精神的なダメージを受けており学校に行かないという選択肢を取らせてあげるのも良い気がした。直樹自身も引きこもり生活をスタートした直後に「引きこもり生活は穏やかで充実している」と述べている。

 

 とは言え直樹が精神的に追い詰められたのは内でも外でも休まる時間が少なかったからのように感じる。母親の期待に応えられず学校生活もみじめ。母親としっかりと話し合い、家にこもって精神を回復する時間が必要だったのかなと感じた。

 

 そんな直樹は学内で天才と言われる修也に話しかけられる。そして修也に凄いねと褒められたことや、一緒に事件の計画を立てることで自分も天才のように感じることができコンプレックスが解消された。また、直也は友人が出来たとに喜びを覚えていた。

 

 しかし、その修也に人間の失敗作とバカにされたことで自身のプライドが傷つけられ愛実を殺害するという選択肢を取った。直樹はプライドを傷つけられる失敗という言葉を地雷にしており、愛実や母親を殺害する際も失敗というワードに反応している。

 

 直樹に与える家庭の影響や実際に行った行動は過激だが、私たちが悩んでいることの問題が肥大化しただけで、自分を認めてほしいという感情や理想と現実とのギャップを感じているなど、誰にでもある悩みを抱えている少年だと感じた。ただ現実と上手く折り合う手段を持たなかったため、このような結果になってまったのかと感じた。というよりも修也というヤバい存在とつるんでしまったことが悲劇の始まりだったように感じた。

 

  

 

 

・直樹の母親 

 

皆自分をバカにしている。母の期待に答えられない自分。オタクの友達と一緒にいるのが恥ずかしい。ひたすら褒められながら育ったために自分は優秀だと感じていたが、3年生になるころには優秀ではないと気が付いた。自分が優秀じゃないために母親がモンスターペアレントになっており、何かあるたびに学校にクレームを行っているのがみじめに感じていた。疑心暗鬼。引きこもり生活は穏やかで充実している。

 

  息子に盲目的な直樹の母親。自分の生まれ育った家庭が行っていた父親はお金を稼ぎに働き、家庭のことは母親が取り仕切るという家庭方針を理想にしている。 

 

 教育方針は女の子にはどこについでも恥ずかしくないよう、一般的な礼儀作法や教養などを細かくしつけ、男の子には常に自身を持って、自分の意思を持ち強く行動できるように、小さなことにも褒めながら、深い愛情を持って見守るということを行っていた。

 

 実際にその教育本心は直樹以外には成功していた。結果としてはこのような事件を起こすきっかけになってしまったが。自分の理想と教育方針を信じすぎてしまったことや直樹の状態を知る必要があるように感じた。

 

 最後には真実を知って責任をとって直樹を殺して自分も死のうとするシーンは潔いきがした。

 

 

 

 

・修也

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  森口の娘である愛実の殺害を企てた少年。典型的な中二病(自分だけは特別 他の人は違うと感じている)であり、世界の中心は自分、自分以外は下等生物のように感じている。

 

 彼の行動理念は母親に会いたい、認められたいという気持ち。最初は全国的賞を得とくすることで母親に自分の存在を気づいてほしかったが、ルナシー事件(少年犯罪)が報道されることで、自分の功績がかき消されたことで自身も殺人事件を起こすことを決意する。また、マスコミなどが家族構成を世間に暴露するなどの利点を考え、母親に会うためには効率的と考え殺人を実行しようとする。

 

 彼の行動理念は母親に会いたいという気持ち。ブログも殺人を計画する際もエイズに感染したという時も頭に浮かぶのは母親に会いたいということ。しかし、全ての計画が失敗した際に「一人になりたくないと」クラスメイトの気を引こうとするシーンがあり、母親以外の人間に助けを求めている。

 

 周りの馬鹿と違い自分は凄いんだという意識があり、他人は自分を崇めるべきだという気持ちと崇めて欲しいという願望(承認欲求)を持っている。クラスメイトに自分を認めてもらうために、同級生が関心のあるアダルトビデオのモザイクを外す作業を行った。

 

 また、寂しさを紛らわすために委員長に接触したりと人肌を求める場面もある。承認欲求が強かったり人肌を求めたりと人間らしい感情を持っており、優秀なのに認められず寂しい自分という現実と理想とのギャップを抱えていると感じた。

 

 

 

 最後までお読みいただきありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ