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読書について

僕は勉強が出来ない 感想 ネタバレあり

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僕は勉強が出来ない

 

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こんにちわ!

ご訪問頂きありがとうございます( ´∀` )

 

今回は山田詠美さんの「僕は勉強が出来ない」の

感想となっています。(ネタバレがあるので気になる方はブラウザバックしてください。)

 

・目次

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・僕は勉強が出来ないあらすじ

 

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 山田詠美さんの著書「僕は勉強が出来ない」は僕は勉強が出来ないけど女の子にモテるし、いい顔じゃない人間は女の子にモテないからつまらない奴だとか言ってしまう高校生の時田秀美が繰り広げる物語が綴られた短編集です。

 

・僕は勉強が出来ない構成

 

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僕は勉強が出来ないは以下の構成からなる短編集です。

 

改めて見返して見ると各話興味を惹かれるタイトルだな~

と感じました(笑)。

 

1僕は勉強が出来ない

2あなたの高尚な悩み

3雑音の順位

4健全な精神

5○を付けよ

6時差ボケ回復

7賢者の皮むき

9眠れる分度器

 

・僕は勉強が出来ない感想

 

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ここでは気になった短編の感想を書いて行きます。

  僕は勉強が出来ない

 学内でテストの点数1位をキープしている脇山は勉強が出来ないのにクラスで自分より人気者の秀美に不満を持っている。そんな脇山は秀美に突っかかるが、秀美は幼馴染の美少女真理にお願いをして脇山にハニートラップ?をしかける。その結果脇山は見事に秀美の作戦にはまり成績を落としてしまう。

 

 脇山は「大学に行けないとろくな人間になれないぜ」と秀美に言うが、秀美に突っかかる脇山は心の中で本当にそうなのか?と疑問に感じているように感じた。勉強が出来ない秀美に不満を持つということは、本人自身も勉強という物差しに自信がなくなっているのだと思う。

 

 脇山は大人が言う勉強という物差しに力を注いできた。勉強に力を注ぐのは間違ったことではない。しかし、大人に言われるがまま勉強に力を入れてきたため、ハニートラップにハマった後に自信を無くしてしまった。

 脇山の行動から大人が言った言葉を自分に中で吟味する必要性や勉強は大切だが勉強だけが全てではないということを感じた。

 

  あなたの高尚な悩み

  哲学書などをたくさん読んでいる植草。彼は周りの人間よりも高尚な悩みを持っていると自負しており、「あぁ、なんて言うのかな。人間って、すごく不条理ものだと感じているのさ」などと他人に喋っている。

 そんな植草はある日部活中にケガをしてしまう。ケガの痛みで叫ぶ植草に対して秀美は哲学的ば問いをするが植草は答えることが出来ない。

 普段哲学について考える自身に酔っている人間でも体にダメージが受けるとそんな考えは吹っ飛んでしまう。このお話を読んでいて全体的に肉体の健康を保つ必要を感じることが出来た。

 

  雑音の順位

 ある日秀美は恋人の桃子さんが他の男と寝ているのを目撃してしまう。桃子さんに直接その日の出来事について聞いては見るもの、様々な考えが頭の中に浮かびまいってしまう。

 この話では2つのエピソードが印象に残っている。一つ目は悩んでいる秀美に詩集を渡した同級生の女の子が秀美に「本なんて、それこそ役に立たないよ」と言われて返した「役に立つのよ、これが。恋愛自体にじゃなくて、自分自身の途方にくれた気持ちにね」という言葉。

 確かにな僕自身も途方に暮れた際に小説を読むことが多々あるので共感出来ました。友達が悩んでいる時にスッと本を差し出しこんな言葉を言えるのがシンプルにカッコイイ。こんな言葉を言ってみたいし、こんな言葉を言われてみたいな~と感じました(笑)。

 二つ目のエピソードがこの話に登場する各人物たちの悩みについてです。日にちが変わるごとに悩みが変わり大げさな発言をするクラスメイトの後藤。悩んでいても日常生活の中で対処できなかったり自然と消えたりする悩み。

 日々生きていくの中で自分達はそれぞれの優先順位があれど、様々な雑音に悩まされながら生きているんだと実感させられました。

・ 僕は勉強が出来ない登場人物

 

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・ 時田秀美 

 本作を初めて読んだのは高校生の時だったのですが、常に余裕があり堂々としていて他の人とは違う価値観を持っている秀美をカッコイイなと感じていました。改めて考えると秀美に告白した山野舞子が「型にとらわれず自由に見える」と言っていたのと近いのかもしれない。

 

・ 脇山

 学内でナンバー1の成績を持っているが人気はあまりない脇山。ここからは勝手な推測だが、脇山は子どものころから勉強をすることが偉いことだと教えられ、他の欲求を抑えながら日常生活を送っていた。しかし、自分の武器である勉強が出来ない秀美の方が人気があり人生が楽しそうに見える。

 勉強に力を入れている脇山からすればなぜあいつの方が楽しそうなんだ?という気持ちになるのかなと。実際委員長になった際に嬉しそうだったり勉強より恋に力を入れたりと、そういう欲望があったのかと感じる。

 この作品では勉強だけが取り柄で秀美に嫉妬をしている脇山が秀美にいい様にやられている。でも成績1位をキープしていることからは努力を感じられるし、一つのことに集中できて結果を残せることは凄いなと思う。

 同時に勉強が出来ても学園生活で良いことがないから自信を持てないのかなと感じました。この先脇山に良い未来があればなーと感じる今日この頃でした。

 

 ・ 山野舞子

 自然体の美少女であるという目的のために無知なふりや自然とかわいいと見られる努力している少女。告白した秀美に「」と言われるが、「」というカウンターパンチをくらわした女の子でもある。

 人によって賛否両論があり好き嫌いが分かれるキャラクター。個人的には理想の自分を作り上げるという目標に向かい努力している姿勢が好きなキャラクターだ。告白した秀美にきつい言葉を投げつけられた後に、すぐに言い返せる負けんの強さも好きな所です。

 

 

 最後までお読みいただきありがとうございましたm(__)m